社会参加の実際・改

2016年お引っ越し。つれづれだらだら雑なテーマで書きます。ま、ちょっとライブ感想多め。

2018.10.12 : SAM SMITH "The Thrill Of It All World Tour" @さいたまスーパーアリーナ

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ずいぶん前からチケットを確保していた Sam Smith @たまアリ公演。(確か)当初は 19:00開演の予定だったのが 19:30開演に変更されたので、定時あがりでも余裕で間に合った。開演前にゆっくりパン食べる余裕すらあった(笑)
まぁ有名な外タレさんということで流石にチケットはお高め。定価 ¥24,000.のアリーナ席(GOLD席)に行っているフォロワー様多かったみたいですけど、みなさまお金持ちですなぁ(笑)
わたしは ¥12,000のS指定席で 200レベルからの参戦でしたが、通路側ですごく視界がよくて、座ったままでもまったく問題なくステージ全体がよく見えました^^

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そもそも驚いたのがステージの形状。
開演前の状況で幕らしきものはなく、ステージセットがむき出しにされていたのですが、その形が、今まで見たことないもの。
ライブにおける花道といえば通常、ステージの中央部分がアリーナにせりだしてアーティストがより近い場所に来る。しかしこの Sam Smithのステージは、、中央部分がかなりの面積でぐっとアリーナにせり出しており、ドラムセットがその中央部にセッティングされている。
え?普通ならあそこはステージの前方にあたる部分ですよね?あそこがバンドの位置なの?なら本人はどこで歌うの?その後ろ??
と、頭の中を疑問符が転がりまわるまま開演すると、、、なんと、ライブはその"花道"部分のみをステージとして行われたのでした!!!

当日のレイアウト、アリーナ部分は「GOLD席」というお高い席だったわけですが、最前方ブロックの皆さんは、最前列の方がとても沢山いらっしゃる、、というレイアウトだったし、そんなふうに迫り出したステージでしたので、ステージ正面方向、つまり本来いちばん距離の遠いあたりのスタンド席にいたわたしの場所からも、とても見易かったんです。

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で、なんといっても最大のインパクトは Sam Smith の声、それ自体の持つ力。美しさ。
音源を聴く限りでは…繊細で美しい声、という印象しかなかった彼の声ですが、第1声からその声の力強さに圧倒され、(ああ、、この力が美しいのか)と震えた。
(力強くて美しくてすごい声)
語彙が足らなくてもどかしいのだけれど、もう、最初から最後までこの感想しかない。

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バンドは、G.、B.、Dr.、Key.、チェロ(!)、そしてコーラスが4枚!
Keyはピアノとキーボード2台くらい?(角度的にしっかりは見えなかった)、コーラスは女性3名男性1名です。バンドのブースは花道ステージの中央後方、一段高くなったセットになっていて、すごく狭そう。
そもそも花道ステージ自体があまり広くないのに、そのなかの、さらに限られたスペースだから本当に狭そうな場所で、しかも、通常のステージみたいに袖からスタッフさんが頻繁に出入りしてサポートできる状況でもないので、楽器はすべて置きっぱ。
ドラムやキーボードはともかく、ベースやギターも、、おそらくそれぞれ2,3本程度しか使っていなかったんじゃないかな?ベースはひょっとして1,2本だったかも?
そんな…すごくシンプルな感じのバンドだった。

しかし、そんな構成だからこそ、音はすべて生で。生コーラス4枚の迫力は物凄い。
で4枚もある重厚なコーラスを従えて空間を統べる Sam Smithの圧巻の声ですよ。

演目の曲名を把握してなくて残念なのだけど(通常運転)、生演奏にストリングストラックも加えた重厚なバッキングでの演奏は音源とまるで印象の違う分厚い音だったし、
ピアノ伴奏のみ、ギター伴奏のみでシンプルにうたわれるバラード曲は、彼の歌の持つパワーと表現力をより際立たせるものだったし、、
とにかくもう凄いとしかいいようがなく、音楽のすばらしさを体感できる夢のような時間だったわけです。

あ、ピアノは弦を張ったアップライト型の電気ピアノで、かなりアコースティックなサウンドで、、そこもツボでした。いや、けっこう大きかったし普通のピアノに見えたので、もしかしたら普通のアップライトピアノ(アコピ)にピックアップつけてたのかも?すごくいい音でした。
(もし普通のアップライトだったら、共鳴板あるから近くの人は生音聴こえたかもしれない?電気ピアノは、耳を澄ませてもほとんど生音聴こえません)
ああそうそれから、Keyでいえばオルガン音を奏でる曲もあって。アコピ(または電気ピアノ)持ち込むコダワリ用ならもしかしてオルガンも持ち込んでいるのかな?とも思ったけれど、ちょうど見えない角度だったので、定かではありません。今時はサンプリング音素晴らしいしね。でも生オルガンは生の良さがやっぱりあるのよね。あんまりオルガン音がごりごりに出る曲たちとも言えなかったので、音色だけでは分かりませんでした。。

あとチェロっていうのも斬新だったなぁ!チェロっていい音ですよね!!
それと、ストリングス音がたくさん入る曲で、もしかしたらチェロがストリングトラックのコントローラーだったようにも見えたけど、、それは気のせいかもしれず、なにしろポピュラー音楽でがっつりチェロだけ入っている構成は余りみかけないので、、近くで見られなかったのがけっこう残念でした。

う~ん、、、でも奮発して GOLD席を買ったとしても、、近くで見られなかったら結局わからないだろうし、そもそもバンドがあんなに客席に寄ってセッティングされてると思わなかったしね!

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なんか、周辺の感想ばっかりで、本人の歌の感想ぜんぜん書いてないですけど、、、
いやいや何をいってもすべてが、本人のあの素晴らしい歌をバックアップする装置であったりバンドであったりするわけで、なんたって素晴らしいのは本人の歌です。それがすべて。
でも前にも書いたとおり、、、わたしの語彙と表現力が足らな過ぎて、彼の歌の魅力をあらわす言葉がみつからない!無念です(笑)

照明も美しかったし、コーラス隊は曲に合わせてごく軽く踊ったりしていたけれど、特別にこった演出はなにもなく、ただ時間いっぱい、狭いステージで音楽をくりひろげるライブ。しかし満足のレベルは至福。ほんとうに素晴らしい時間だったんです。

あと書いておかねばならないのが、、Sam Smith の、ライブに対する愛情ね。
海外のアーティストさんで「日本公演を楽しみにしている」って言う人は多いし、そういう言葉がリップサービスに過ぎなくても、ファンにしてみれば来日してライブしてくれるだけで嬉しいから全然かまわないと思うのだけど。
彼は、、ほんとうに楽しそうだった!

観客への呼びかけで「xxxxx TOKYO!」って言うのも、多くの外タレさんが普通にやっていることだけれども、なにか、彼の言葉には本心からそう言っている喜びの気持ちが込められていて、すごく伝わる。ああ、ほんとうにこのライブを心から楽しんで歌ってくれているのだなぁ、、と感動した。

バンドメンバーを紹介する段では、「僕の Incredibleな仲間を紹介するよ!」と。たとえば「Incredibleなギターのxxxx」とギタリストをハグしてキス(ギタリストが最初だったかは忘れた)。そんなふうに全ミュージシャン全コーラスのメンバーひとりずつに、「Incredibleなxxxx」と紹介しハグしてキス。すごい時間かけてた(笑)
「…そして最後に Incredibleなみんな!!ありがとう」って興奮して。
アンコールは3曲。でも状況が許せばもっと歌いたかったんじゃないかな。お客よりも誰よりも本人が、楽しい時間をずっと続けたくてその名残を惜しむかのように、ステージから去っていった。

観客にむかって感極まり「I Love You」って叫ぶのも素敵だけど、Sam Smith は、呼吸をするかのように「I Love You」ってことばを言うんだよ。かれがその言葉を口にするたびに、その愛の言葉、言葉の愛があの広い空間を震わせて、いっぱいに拡散していったよ。

たまアリをうめつくした人が、彼の音楽に幸せを沢山もらって帰路についたことと思います。

最高の時間でした。