社会参加の実際・改

2016年お引っ越し。つれづれだらだら雑なテーマで書きます。ま、ちょっとライブ感想多め。

King Gnu 『The Hole』。

あえて今更の投稿なんすけど、先週のMステで生演奏されたこの曲。
ベタに、それ以来…マジで頭から離れないんすよね。
すごい演奏だった。常田くんの独特なピアノも、抑えたリズム隊の音も、もちろん井口くんの歌も。だが何より「歌詞が刺さった」。


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もともと自分は、どうも日本語の歌を聴いても歌詞とかろくに聴いてない。歌モノが好きなのに歌詞を聴かないとか偏ってますが、、
歌詞の前にメロディ、音楽として堪能したいって気持ちがどうも強くて、、歌詞をちゃんと聴こうってのがどうも後回しになってしまいます。

でね。
そんな偏った自分でも、ときどきあるんですよ「刺さる」ってことが。

なぜこんな長い前置きを書いたかというと、まず「歌詞が刺さった」というのは、自分にとっては物凄い体験なんです、、と言いたかった。
この 歌詞が刺さりまくってストレートに入ってきた という感覚は、椎名林檎『ギブス』以来かもしれない、と思った。20年ぶりかよ。

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曲自体は初聴きではなくて、でもアルバム買ってまではいなくて、たぶんサブスクで聴いたんだと思う。
King Gnuさん、実は今年のライブのチケットとれてたので、へそ曲がりな自分は、あんまり予習しないでライブから堪能しよう、という妙なこだわりで、敢えて有名な曲以外の音源をしっかり聴いてなかった。)
でもなんだろうね、常田くんのあのピアノのイントロから、ガッと持っていかれて、あとは歌詞が音がぐぐっと、凄い勢いで入ってきました。

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その感想を、どうにもうまく言葉では言えないんだけど、
(…そんな!)
というのが近いかな。
だって常田くんは「優しくて強い歌」と言ったんです。
うん、強い強い気持ちはあった。だが、優しさ。

「僕が傷口になるよ」

それなのか。それがやさしさなのか。

 

傷口 って。傷口って、、まだ痛いじゃないか。
ぽっかりと開いた穴を…ふさいで、ふさぎきれているかわからないのじゃないか。
まだ血を流しているのかもしれない、、。
でも「傷口」なのだから…痛いよね。痛い。
もしかしたら治ってるのかもしれないけど、”痛み” を感じる。

穴をあけて喘いでいる存在を守りたくて、そういう強さを持ちたくて
力を尽くしてできることが 傷口になる ことなんだ。

守りたい自分も…痛いんだよね。

 

ベタな言い方をしてしまうと、痛みを分かち合う。

 

わたしは、、常田くんが
そういう守り方を「優しさ」「強さ」と認識しているという
その感覚が 痛い と感じて涙が出ました。

 

優しさには、いろんなカタチがある。
こういうこと余りいいたくないけど、「傷」という表現に痛みを感じてしまうのは世代的なことがあるかもしれないな、と。

誰しもが痛みを抱えているのは大前提で、誰しもが他者を完全に救済することなど不可能なのも前提で、、それでも
守りたい せめて痛みを分かち合いたい という気持ち

常田くん達、それ以下の世代の人たちの感覚とはそういうものなのかな

と感じて、、、ものすごい痛みを感じました。
(こんなこと書きながらも泣けてくる)

 

若い、、といっても20代後半なら、いちおうちゃんと大人の世代なんだけれども、
いま社会の中心で世界を動かしていくべき世代の人たち、こういう世代の人たちが
こんな感性で生きている ということが物凄く切なくて
ほんとうに切なかったのです。

 

この曲について、いくつか記事を読んだりしたのだけど、常田くんが言葉にして言ってた「優しさ」「強さ」には触れても、曲からストレートに伝わってくる慟哭や痛みに触れている文章をみかけられなくて。
どうしてなんだろう?

と感じたのも、この記事を書こうと思ったきっかけです。

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さて、Mステの生演奏に衝撃を受けてから、もちろん冒頭にあげたMVを何度も見直した。MVについても書こうと思ったけど主旨からそれてしまいそうなので、ここではやめておきます(映像がかなり衝撃的でちょっと入り組んではいるけど、見た通りのストーリィではあると思う。ちなみにサムネのシーンはとても美しいですね)。

ヌーさんの過去のアルバムも聴きこんで、あと、動画サイトにあがっているこの曲のカバーなんかもいくつか聞きました。

やはり、ヌーさんは、まず常田くんの曲の力がすごいですよね。たとえばピアノ一本でカバーしても曲がいい。
ただ、そのすごい曲を、それぞれ天才的な技巧を持つバンドメンバーが表現することにより、さらに凄いことになっている。そういうバンドですよね。今更ですが。

世間で流行りだした当初に自分も例にもれず彼らの存在を知り、あまりにも楽曲のレベルが高いのと演奏がうますぎるので、逆に、天才集団の危うさみたいのをうっすらと危惧しておりまして。
ただ今回、今までのアルバムになってる楽曲を通して何度か聞きこむうちに、まぁなんといいますか普通に彼らも、彼らなりの道を歩んで今がある、、ということを知り少し安心しています(勝手に)。

自分が知った瞬間に出てきたわけじゃない(笑)
ずっと彼らのファンだったみなさんごめんね。

 

ともかく彼ら、普通にすごいバンドなんだなぁ、ってことを改めて認識しました。
このご時世で参加する予定だったライブは中止になってしまったけど(まじ無念)、ぜひとも次の機会にライブを観に行きたいと考えています!